乾燥肌とは、肌の水分・皮脂が不足して潤いがなくなっている状態で、ドライスキンとも呼ばれます。入浴後や洗顔後に肌がつっぱる、全身がカサカサする、などの症状がみられます。特に乾燥しやすいのは、もともと皮脂の分泌が少ない脛(すね)、膝、ひじ、足の裏などの部位です。顔では頬や目、口のまわりなどが乾燥しやすくなります。
よく乾燥肌と並んで耳にするのが「敏感肌」ではないでしょうか。この2つは似ているようで、少し違います。
となります。ただし、敏感肌が原因で乾燥肌になってしまうこともありますし、乾燥肌が原因で敏感肌になってしまうこともあるので相互関係が存在していることが多いです。
ちなみに、敏感肌は生まれつき皮膚が弱かったり、アレルギー体質だったりする先天的なタイプと、乾燥などが原因で皮膚が敏感になってしまう後天的なタイプがあります。敏感肌の場合、アレルギー反応が出る物質に敏感なだけでなく、大気中のホコリや髪の毛などのささいな刺激でもかゆみや赤み、湿疹などの症状が出てしまうことがあります。
といった症状が現れる。
人によって、かゆみやピリピリとした痛み、湿疹、フケのように皮膚が剥がれ落ちる、ひび割れなどを伴うこともあります。
乾燥肌の状態が続くと、アトピー性皮膚炎などの様々な皮膚の病気を悪化させる原因にもなるので注意が必要です。
肌が乾燥するのは、角質層が乱れて、肌の水分を保持する力が低下してしまうからです。肌の乾燥に関わってくるのが、皮膚の一番外側にある角質層という部分になります。
角質層は0.02mm程度で、食品包装用透明ラップと同じくらいの厚さです。角質層の中は「角質細胞」や「細胞間脂質」がブロックのように並び、さらに10~20くらいの層になって積み重なっていることで肌のバリア機能が働いています。
角質細胞がすき間なくきれいに並んでいることにより、外部からの水分の侵入や、内側からの水分蒸発を防いでくれる仕組みになっているのです。しかし、様々な要因で角質層が乱れてバリア機能が低下してしまうと、肌の水分が逃げやすい状況になってしまい乾燥肌になってしまいます。
では、どのようなときにバリア機能が低下してしまうのでしょうか。乾燥肌になってしまう原因は、いくつかあります。
私たちの肌は20歳をピークに乾燥しやすくなるといわれています。その原因が、加齢による肌の保湿力低下です。
角質層で肌の潤いに重要な役割を果たしているのは、
などの物質です。しかし、これらの物質の分泌量は、加齢に伴い減少します。
そのため、ケア方法などで個人差は出ますが、年齢を重ねるにつれて皮膚のバリア機能が低下して、乾燥したり外部からの刺激に弱くなったりするのです。また、美のホルモンといわれるエストロゲンの減少も、乾燥の原因になっています。
加齢に伴い女性ホルモンの分泌量が減少していくと、肌の弾力を保っている真皮層のコラーゲンやエラスチンなどの量が減少し、真皮層自体が薄くなってしまうのです。
その結果、皮脂を分泌する力が弱くなり肌の乾燥が目立つようになります。
肌が老化する原因の7割は、紫外線によるダメージだといわれています。
日光を浴びやすい手の甲や顔と、露出が少ない腕の内側や太ももなどを比べてみると、肌の状態が明らかに違うのでわかりやすいのではないでしょうか。
人の体に害を与える紫外線には、A波(UVA)とB波(UVB)が存在しています。肌の表面がヒリヒリと痛くなり、赤く炎症を起こしてしまうのはB波が原因。
日焼けを繰り返していると、メラニンを増加させてシミやそばかすになるだけでなく、角質層がダメージを受けて乾燥を引き起こす原因になります。それに対し、A波の威力は弱いため急な炎症を起こす原因にはなりません。
しかし、波長が長いので皮膚の深いところまで届きます。真皮まで届いた紫外線は、肌に弾力を与えるコラーゲンやエラスチンを破壊してしまうため、やはり肌の乾燥や老化の原因になります。
なお、紫外線でダメージを受けた皮膚は刺激をとても受けやすい状態です。そのため、内部に紫外線がさらに侵入しやすくなり、乾燥が進みやすい傾向があります。
微量な紫外線でも、できる限り浴びないように心がけることが大切です。
肌が乾燥しやすい方は普段の生活習慣により、肌を守る皮脂膜が失われてしまっている可能性があるので要注意です。
などを繰り返していると、自律神経が乱れて体の免疫力が低下します。その結果、肌のバリア機能も低下して肌が乾燥しやすい状態になります。また、睡眠不足は、成長ホルモンが分泌されにくくなるためターンオーバーが乱れる原因です。
42度以上のお湯や長時間の入浴は、皮脂や保湿成分が流れ出す原因になるといわれています。また、ボディーソープや石鹸で毎日ゴシゴシと洗っていると、皮膚にダメージを与えていたり、皮脂を奪いすぎてしまっていたりする可能性があります。肌の乾燥が気になる場合は、二の腕や足などの皮脂腺が少ない部分の洗浄頻度を減らしてみる、手のひらで優しく洗うなどよいでしょう。なお、入浴後は肌の水分が蒸発しやすいので、できるだけ早く保湿をすることも大切です。
長期にわたって肌の不快感が続く場合には、肌が一時的又は慢性的な状態なのか、適切に診断してもらうべく、皮膚科医に相談してください。突然、肌の乾燥が起きた場合には、その原因を調べる必要があります。例えば、生活環境の変化(職場環境が変わった、プールで泳いだ、脱脂力の強い石けんやシャワージェルを使って肌を洗うなどしてダメージを与えてしまった)や、何らかの内臓疾患などの病気、あるいは病気等の治療のための薬等の影響(抗コレステロール薬使用など)が原因として考えられる場合があります。原因が特定できたら、速やかな改善が必要です。
乾燥肌はその不快感に加えて、バリア機能の欠損から、肌にアレルゲンや刺激要素が入り込みやすい状態になっています。湿疹や乾癬の症状が出やすくなるのも特徴です。そのため、肌に充分なうるおいを与える必要があります。最初のステップは、十分な量の水を飲むことです。 また、肌に対して低刺激のクレンジングやスキンケア製品をお使いになることも重要です。 肌に水分を与え、必要以上に洗い落とさず、またうるおいを保持するクレンジングや保湿製品を使用します(乾燥した面積と乾燥の度合いに応じて、クリームやセラムなどを使用)。 そのような製品の使用で、肌から蒸発していく水分量を抑え、表皮に十分な量の水を巡らせてうるおいを保ち、バリア機能を修復します。また、乾燥・高温などを避け、医師から特別な指示がない限り、1日あたり1.5リットルの水を飲むように心掛けてください。
1日に1〜2回、肌のバリア機能を損なわない穏やかな石けん成分無添加の洗浄料で洗顔し、こすらずに、優しく水分をふき取ります。
毎朝・夕、クレンジング・洗顔をした後には、保湿タイプの化粧水やクリームを使用し、つっぱり感や外的刺激要因から肌を保護します。肌に合った適切な製品をお使いになり、顔のみならずボディの保湿も忘れないでください。
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