肌荒れとは一般的に、キメが整ってうるおっている健康な肌に対して、肌表面からなめらかさが失われ、カサつきやトラブルがあらわれる状態です。肌が荒れた感じや赤み、ニキビができるなどの表面的なトラブルをはじめ、かゆみを伴う場合もあります。
肌荒れと一言で言ってもいろいろな症状があり、原因もさまざまです。カサつきをそのままにしておくと、見た目の印象が気になるだけでなく、深刻な症状になることもあるだけに症状や原因を見極めたお手入れが大切。スキンケアや塗り薬など外からの手当てとあわせて、生活習慣の見直しや栄養バランスに気を配ることも重要です。
・紫外線
・乾燥
・バリア機能の低下
・間違ったスキンケア
・生活習慣の乱れ(睡眠不足など)
・内臓の不調
・ホルモンバランスの乱れ
・活性酸素の影響
・ストレス ・花粉や大気汚染
・バランスの悪い食生活
食生活の乱れは、腸内環境の悪化につながり、肌に赤みや吹き出物が出やすくなります。また、腸内環境が整っていないとミトコンドリアの機能も低下するため、代謝が下がり、老けて見られるようになってしまいます。
肌荒れの初期的な症状として、まず気になってくるのがカサつきです。カサカサとしてキメがあらくなり、毛穴が開いて目立ち始めると同時に、手触りがザラっとして硬くなった感じになります。さらに、乾燥が進んだり、皮脂分泌の乱れにより、ニキビや吹き出物ができることもあります。
顔の赤みや湿疹、ピリピリとしたかゆみを伴う症状などは、進行すると皮膚炎や長引く敏感肌にもつながりかねません。軽く考えずに、早めの対処と肌の状態にあったケアを心掛けましょう。
季節の変わり目は、肌荒れを起こしやすくなります。その理由としては、急激な温度や湿度の変化が挙げられます。 また、3〜4月頃のスギ花粉の季節は、肌荒れを起こす方が特に多い傾向にあります。
患者さんと接していて、最も肌疲れが多いと感じるのは、やはり冬です。冬は一年を通して最も乾燥している季節なうえに、暖房の影響で肌の乾燥度はマックスとなります。肌が乾燥すると、バリア機能が低下して、さらに肌荒れが進みます。
夏は、紫外線による肌疲れが多くなります。紫外線はバリア機能を低下させ、ターンオーバーを乱し、赤みや乾燥などの肌トラブルを起こします。 肌が疲れていると感じたときは、季節ごとのトラブル要因に合ったケアを意識しましょう。
私たちの肌は、表皮・真皮・皮下組織の3つの層からなっています。なかでも肌荒れを改善するのに重要なのは、表皮の一番外側にある「角層」という部分です。
角層には、肌の外側から刺激や異物が侵入するのを防ぐとともに、肌内側の乾燥を防ぐ「肌のバリア機能」が備わっています。具体的には、角層細胞内の「天然保湿因子(NMF)」と、角層細胞のすきまを埋める「細胞間脂質」がうるおいを蓄える一方、角層表面を覆う「皮脂膜」が水分の蒸散を防ぐことで、このバリア機能を保っています。
バリア機能があることで、肌は強い紫外線や汗、花粉やホコリといったさまざまな異物と接しても、肌の内部までダメージを受けないようになっているのです。この機能をキープするには、肌の水分や油分などの保湿成分を保持するとともに、栄養バランスのよい食生活を心がけることが大切です。
肌は一定のサイクルで新しく生まれ変わっており、このサイクルのことを「ターンオーバー」と言います。表皮の奥から新しい細胞がつくられ、約2週間かけて角層へ押し上げられていきます。角層で肌のバリア機能を保つ働きをした細胞は、約2週間後に垢などとしてはがれ落ち、新たな細胞と入れ替わります。
このターンオーバーのサイクルが通常よりも長くなると、古い角層細胞がいつまでたってもはがれ落ちず、角層部分が厚くなって、くすみやざらつき、肌の乾燥につながります。一方、サイクルが短すぎると、天然保湿因子(NMF)がしっかり作られないまま、未熟な角層細胞が積み重なることで、肌の保湿力やバリア機能も低下してしまいます。
肌のターンオーバーは、日々の食事や生活習慣と密接に関連しています。特に寝不足や無理なダイエット、お酒の飲みすぎや喫煙は、肌荒れを悪化させるので、気をつけましょう。
大切なのは、ストレス回避、バランスのとれた食生活、適度な運動、そして睡眠です。 まずは、この4つを心がけてください。
特にストレスは美肌の大敵です。ストレスで自律神経のバランスが崩れると、肌の調子が一気に悪化する場合もあります。忙しい中でも自分と向き合う時間やリラックスのできる時間を意識して作りましょう。アロマをたいたり、マッサージに行ったり、ヨガや瞑想をしたり、自分が心地よいことを取り入れましょう。 私たちの体は、食べた物でできています。肌に異常が起こるということは、体内のどこかに異常があるということです。多くは腸内環境の悪化からきています。腸内環境を悪化させる砂糖やアルコール、加工食品などはなるべく控えて、緑黄色野菜や良質なタンパク質をしっかり摂りましょう。 適度な運動(週2〜3回、1回30分程度)は、肌だけではなく、体の健康を維持するためにも必要です。通勤では階段を使うなど、日々の生活でも体を動かすようにして、毎日最低でも7時間以上の睡眠をとることが美肌の近道になります。
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